「ウォール街のランダムウォーカーの要約は?」
「50年前に出た本だけど内容はずっと変わってる?」
「本の内容をiDeCoや新NISAにどう活かせばいい?」
このような悩みを解決します。
ウォール街のランダムウォーカーは、インデックス投資の名著と言われる本です。ですが実際に読むとなると、本として分厚いのでためらってしまいますよね。
今回の記事では、名著・ウォール街のランダムウォーカーの内容をわかりやすく要点だけをまとめました。実は結論はシンプルなんですよね。
記事の後半では、ウォール街のランダムウォーカーの内容をどうあなたの投資に落とし込むかも解説します。ぜひ最後までチェックしてくださいね。
ウォール街のランダムウォーカーとは?難しい?
書籍名 | ウォール街のランダムウォーカー 株式投資の不滅の真理 |
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著者 | バートン・マルキール 井出正介訳 |
発刊 | 1973年 |
出版社 | 日本経済新聞出版 |
価格 | 2,700円+税 |
ページ数 | 511ページ |
ウォール街のランダムウォーカーは、アメリカの経済学者「バートン・マルキール」氏が執筆したインデックス投資の名著です。現在主流になっているインデックスファンドへの投資を、50年前に提唱しました。
初版が発行されたのが1973年で、それ以降50年以上にわたって投資家に愛読され続けています。
でも実は初版が発行されたときには、市場平均に投資する方法はかなり批判されたそうです。
時代を経て、インデックス投資の名著になったわけです!
随時内容がアップデートされている
本書は50年前に出版された書籍ですが、現在でも信頼できる内容です。
2024年現在13版が発行されていますが、内容が少しずつアップデートされ続けつづけているからです。
たとえば、本書内で、資産の取り崩し方として、現在は年間に資産総額の3.5%ずつ取り崩す方法が推奨されています。しかし第9版では、毎年4.5%取り崩す方法が推奨されていました。
つまり各年代の平均利回りやインフレ率の違いをふまえて、内容がアップデートされているわけです。
ウォール街のランダムウォーカーのシンプルな要約
ウォール街のランダムウォーカーは4部構成の全15章で構成されています。
- 第1部:株式と価値
- 第2部:プロの投資家の成績表
- 第3部:新しい投資テクノロジー
- 第4部:ウォール街の厚き方の手引き
私が本書を読んでわかった要点は以下の6つです。
- 株価はランダムウォークである
- 「投資」と「投機」は異なる
- テクニカル分析は難しい
- ファンダメンタル分析も難しい
- アクティブファンドはインデックスファンドに勝てない
- インデックス投資を推奨
本は分厚いですが実は内容はシンプルです。難しくはありませんでした。
順に丁寧に解説していきますね。
株価はランダムウォークである
株価はランダムウォーク、つまり物事の過去の動きから、将来の動きや方向を予測するのは不可能だとされています。
株式市場も同じく、短期的な動きはランダムなので、どう動くかは読めないわけです。
本書内では、目隠ししたサルが投げたダーツで決めたポートフォリオと、専門家が運用する投資信託の運用成果はたいしてほとんど変わらないと記載されていました。そのため結局のところ、株価はランダムなので専門家は市場に打ち勝てないと示していました。
「投資」と「投機」は異なる
本書では、投資を以下のように定義していました。
配当や金利。賃貸料などかなり確実性の高い収入の形で利益を上げること、および長期間保有して値上がり益を獲得することを目的とした金融資産の購入
引用元「ウォール街のランダムウォーカー」
そのうえで本書内では、「投資」と「投機」を以下の2つで区別していました。
- どのような期間で投資リターンを考えるかがはっきり意識されているか
- リターンが合理的に予測できるかどうか
投資と投機の大きな違いは期間にあると述べられていました。投機は2、3日あるいは2、3週間で大きな利益を狙うのに対して、投資は何年、何十年先まで安定して配当を得られるまたは持続的な値上がりを狙う手法と定義されています。
テクニカル分析は難しい
テクニカル分析とは
テクニカル分析とは、チャートから売買のタイミングを予測する手法。
本書内でテクニカル分析は、以下3つの理由で難しいとされていました。
理由①タイミングが難しい | 上昇シグナルが出た頃には、すでに上昇している。結果、上昇後にしか買えない |
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理由②テクニカル分析を実践する人が増えるほど有用性がなくなる | 全員が同じ行動を取るため、利益が出ない |
理由③手数料が増える | 何度も売買するため、手数料が増えてしまう。場合によっては売買時の手数料で利益が消し飛ぶ |
テクニカル分析を「砂上の楼閣」、つまり実現不可能なものだと本書では結論づけていました。
たとえば、下画像のように、ネックラインと呼ばれるボーダーを下回った状態を「弱気のシグナル」と呼び、売りに走ります。
しかし弱気のシグナルが出てすぐ上昇するケースもあり得るため、実現不可能とされていました。
ファンダメンタル分析も難しい
ファンダメンタル分析とは
株や不動産が持つ「ファンダメンタル(本質)価値」という絶対的な価値を分析する投資手法
市場価格がファンダメンタル価値を下回れば購入、上回れば売却のチャンスとされ、投資の神様と呼ばれるウォーレン・バフェットも実践し続けてきた手法です。
しかし本書のなかでは以下3つの理由で難しいとされていました。
- 情報や分析が正しいとは限らない
- アナリストが間違える可能性がある
- 間違いが速やかに訂正されるとは限らない
投資判断には間違った情報や分析も織り込まれており、その間違いが続く可能性もあるため、ファンダメンタル分析に絶対はなく難しいわけです。
そのうえでファンダメンタル分析を成功させる方法として、以下3つのルールが挙げられてました。とはいえかなり難しいので、運の要素も大きいと本書では説明されていました。
- 利益成長率が5年以上市場平均以上の銘柄を買う
- 株価<ファンダメンタル価値以上の銘柄には手を出さない
- 投資家が「砂上の楼閣」を作れるようなストーリーが描ける銘柄を探す
アクティブファンドはインデックスファンドに勝てない
ファンドマネージャーが運用する投資信託の平均は、米国の代表的な株価指数「S&P500」の平均に勝てないことが本書内では検証されていました。
具体的な検証結果(2001年〜2021年末までの20年間の運用成果の比較)を示したのが以下の表です。
本書内で紹介されていたデータによると、S&P500が0.98%勝っています。
勝つために運用しているはずの投資信託が平均に勝てない理由は、市場平均に勝ち続ける投資信託が出てこなかったからです。
素晴らしい成績を出したファンドはいずれ暴落して、勝ち続けることができないわけなのです。
インデックス投資を推奨
結論として、本書の著者、バートン・マルキール氏は、市場平均に連動するインデックスファンドへの投資を推奨しています。
その理由は、長期的に安定したリターンに期待できるからです。
1801年から2021年の間で、株式は年平均8.4%のリターンを出しており、1801年に1ドルだった株価が2021年には5,400万ドルになっています。
また「1977年に登場したインデックスファンドに1万ドル分買っていた投資家は2023年初頭には1万ドルが約214万ドル、プロが運用する株式投資信託では約147万ドルにとどまる」と検証していました。
小さく見ると上がり下がりが激しくても、大きく長く見れば安定的に伸びるインデックスファンドを推奨していました。
ウォール街のランダムウォーカーを読むならKindleがおすすめ
ウォール街のランダムウォーカーを読むなら、電子書籍のKindleがおすすめです。
なぜなら、Kindleならスマホがあればどこでも読めるからです。
ウォール街のランダムウォーカーは500ページ以上あるので、持ち運びにはかなり不便です。なので今購入するなら、電子で持ち運べるKindleにするのがいいかなと。
私は基本的に家で読むのと、紙が好きだったので紙で購入しました。
実際に手に取りたいひとは紙、移動時間に読みたい人はKindleがいいかと思いますね。
まとめ 50年前からインデックス投資を推奨していた
今回の記事ではウォール街のランダムウォーカーの読書レビューを解説しました。
500ページ以上ありますが、結論自体はシンプルなので、気になる人は一度読んでみるのがいいと思います。
最後に本書の要点をおさらいします。
- 株価はランダムウォークである
- 「投資」と「投機」は異なる
- テクニカル分析は難しい
- ファンダメンタル分析も難しい
- アクティブファンドはインデックスファンドに勝てない
- インデックス投資を推奨している
50年前に出版された本ですが、現代にも通ずる投資術を学べますよ!
ということで今回の記事は終わりです。
最後まで読んで頂きありがとうございました。