「配当性向が高すぎると危ない?」
「配当性向が高いデメリットは?」
「配当性向が高いとどうなるか知りたい!」
このような悩みを解決します。
配当性向が高すぎると大丈夫なのか心配になりますよね。
この記事では配当性向が高すぎる株は危険なのかを解説します。
結論、配当性向が高い株は危ないです。
なぜなら、配当を出す余力が無くなっているからです。
私は配当性向が高い株を避けて投資しています。
記事の後半では、配当性向が低い安定配当銘柄の見つけ方も解説しました。
最後まで読めば、なぜ配当性向が高すぎる銘柄が危ないのかがわかり、安定的に配当が得られる銘柄を見つける方法がわかりますよ。
配当性向とは
配当性向とは、企業が得た純利益からどのくらい配当を出しているかを示す割合です。計算式は以下のとおり。
配当性向(%)
=1株あたりの配当額 ÷ EPS(1株あたりの利益)× 100
以下の表を例に配当性向を計算してみましょう。たとえば、下記の会社の場合、EPS(1,000円)と配当金(400円)から、配当性向は40%と計算できます。
EPS | 1,000円 |
配当金 / 株 | 400円 |
配当性向 | 40% |
計算式 | 400円 ÷ 1000円 ×100 |
配当性向の意味としては、利益のうちどのくらい配当として出しているか、つまり配当の余力を表しているのです。
配当性向が低いなら、配当を出しても利益があまっているので事業の投資に回せるね。
一方で配当性向が高すぎると、投資に回せる利益が残っていないことになるんだ。
目安
配当性向は50%以下、できればもっと低い方がいいです。
なぜなら、配当性向が高すぎると減配リスクが上がるからです。
配当性向は50%を超えているかどうかを目安に株をチェックしてくださいね。
なお、会社のフェーズ(新興企業、熟成企業)によって配当性向の考え方はすこし違います。
たとえば、ある程度大きな会社なら事業投資にそこまで投資しなくてもいいので、配当性向は高くなりやすいです。一方で新興企業ならガンガン投資する必要があるので低くなることが多いです。一概に目安が50%以下がいいとは言い切れないことだけ注意しましょう。
配当性向は高すぎると危ないの?100超えは危険?
結論からいえば、配当性向が高すぎる株は危ないです。
なぜなら、配当を出す余力がなくなってきているからです。
たとえば、下記のA社とB社の場合、配当利回りは同じですが、A社は配当性向が80%と高くなっていて、配当を出す余力がなくなっているのがわかります。しかもそれだけでなく、事業投資に回すお金も少なくなっていて、成長性も低くなってしまいます。
A社 | B社 | |
---|---|---|
配当利回り | 4% | 4% |
配当性向 | 80% | 20% |
配当の余力と企業の成長の面で、配当性向が高すぎる株は危険なのです。
もし配当性向が100%を超えているような企業があったら、それは利益以上に配当を出していることを意味します。かなり危ない状態なので、投資は避けた方が良いですね。
マイナスはもっと危険
配当性向がマイナスの企業はもっと危険です。
なぜなら、利益がマイナス(赤字)なのに配当を出しているからです。
つまり利益が出ていないのに、いままで貯めていたお金を使って、株主に配当を配っているのです。
企業買収など一時的な理由ならありえます。
ですが、それ以外の理由ならとても危険な状態ですよ。
【リスクあり】配当性向が高い株のデメリット3つ
配当性向が高い株のデメリットは以下の通りです。
- 減配/無配になるリスクがある
- 株価が下がるリスクがある
- 事業が成長せず株価も上がらないリスク
最悪倒産してしまうかもしれません。
順番にデメリットを見ていきましょう。
減配/無配になるリスクがある
配当性向が高いと配当が減配、もしくは無配になるリスクがあります。
その理由は、そもそも配当を支払う余裕がないなかで配当を出しているからです。
具体例として、JT(日本たばこ産業)の配当性向を取り上げます。
2019年12月期 | 2020年12月期 | 2021年12月期 | |
---|---|---|---|
純利益 | 3481億9000万 | 3102億5300万 | 3384億9000万 |
EPS | 195.97円 | 174.88円 | 190.76円 |
配当性向 | 78.58% | 88.06% | 73.39% |
年間配当額 | 154.0円 | 154.0円 | 140.00円 |
JTの配当性向は2020年に88.06%となり、2021年には154.0円から140.0円に減配しました。
配当性向が高くなると減配するリスクが高いんだ。
配当利回りが高くても、配当性向が高い銘柄は要注意ですね。
株価が下がるリスクがある
配当性向が高いと株価が下がるリスクがあります。
なぜかというと、配当が減ったり、無くなったりすると株価が下がるからです。
具体的には減配や無配を発表した株の株価は大きく下がることが多いです。配当を目当てに買っている投資家が売ってしまうんですよね。
配当性向が高いと株価が下がるリスクも高いので注意しましょう。
事業が成長せず株価も上がらないリスク
配当性向が高いと、事業が成長せず株価も上がらないリスクがあります。
なぜなら、得た利益のほとんどを配当で出しているので、事業に再投資できるお金が少なくなるからです。
たとえば下記のような同じ利益(1000万円)のA社とB社で比較してみると、配当性向80%の企業A社は、利益から配当を引いた残りは200万円になります。一方配当性向20%のB社は残りが800万円もあります。
A社 | B社 | |
---|---|---|
配当性向 | 80% | 20% |
利益 | 1000万円 | 1000万円 |
配当 | 800万円 | 200万円 |
残り | 200万円 | 800万円 |
配当性向が高いと、配当支払い後の残りのお金がかなり少なくなるのです。つまり事業投資や研究開発にお金を使えるお金が少なくなります。
配当性向が高い企業は、配当にお金を出しすぎて、ほかにお金を回せていないケースもある。
事業にお金が回せてない企業は成長しないので、注意しましょう。
配当性向が低い安定配当銘柄の見つけ方
配当性向が低い銘柄は余裕を持って配当を支払えるので、安定した配当が期待できます。
そこで次に配当性向が低い配当銘柄の見つけ方を紹介します。
1銘柄ずつ確認するのは手間ですが、ツールを使えばサクッと探せるんですよ。
なお、この記事ではマネックス証券の「銘柄スカウター」を使います。配当性向を条件として設定できるツールはほとんどありませんが、銘柄スカウターなら配当性向が設定でき、簡単に配当性向が低い配当銘柄を発掘できるからです。
操作手順も簡単で、下記の画像のように、スクリーニング画面から、配当性向を選んで条件を設定するだけです。
例えば、配当性向50%以下でスクリーニングすれば、配当性向が50%を超える銘柄は除外され、配当性向が50%以下だけを表示可能です。
スクリーニングすると、下記のように条件にあう銘柄をリストアップできるのです。ちなみに配当性向が50%以下の銘柄は3,079銘柄ありました。
ほかにも配当利回りや利益率なども条件として設定できますよ。
過去の配当実績も見れる
安定して配当を出すかを知るために、過去の配当実績のチェックも大切です。
銘柄スカウターなら配当性向や配当利回りで銘柄を絞り込めるだけでなく、銘柄の過去の配当実績もかんたんに調べられます。グラフで過去の配当実績が見れるので、配当の増減もわかりやすいですよ。
長期の配当推移が見れるので重宝しています。
スクリーニングとあわせてチェックしてくださいね。
まとめ
この記事では、配当性向が高すぎる株は危ないのかを解説しました。
配当性向が高いと減配や株価が下がるリスクがあるとわかったのではないでしょうか。
最後にここまでの内容をまとめます。
- 配当性向は純利益のうち、どのくらい配当を出したかを示す割合
- 「配当性向=配当額÷EPS× 100」で計算される
- 配当性向は50%以下が目安、できればもっと低い方が良い
- 配当性向が高すぎる株は危ないので避けた方がいい
配当性向が高い株は、配当の余力や企業の成長の面で危ない株です。
配当銘柄を選ぶ際は、配当性向が低い銘柄でスクリーニングしましょうね。
ということで今回は以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。