「レイダリオのオールウェザーポートフォリオとは?」
「オールウェザーポートフォリオを再現する投資信託は?」
「オールウェザーポートフォリオの利回りは?」
このような悩みを解決します。
こんにちは。投資歴4年の投資家。
自分でいうのもなんですが、レイダリオ信者で彼の思想を勉強しています。
レイダリオ氏は「ヘッジファンドの帝王」や「投資業界のスティーブ・ジョブズ」の異名をもつカリスマ投資家です。リーマンショックをプラスで乗り切った投資家としても有名なひとです。
今回の記事では、そんなレイダリオ氏の提唱するオールウェザーポートフォリオを解説します。
この記事を最後まで読むと、カリスマ投資家のポートフォリオを再現する方法がわかり、不況時代でも大負けしないポートフォリオが組めますよ。
レイダリオの「オールウェザーポートフォリオ」とは
レイダリオ氏が提唱するオールウェザーポートフォリオは、全天候型ポートフォリオともよばれています。
経済状況を下記の4つの天候にたとえ、どんな天候(経済状況)でもリスクを最小限に抑え、安定したリターンを得ようという思想のもと、提唱されたポートフォリオです。
経済状況 | 強い資産 |
---|---|
①インフレ | コモディティ・金 |
②デフレ | 長期国債(20年) 中期国債(7-10年) |
③経済成長期 | 株式 |
④経済後退期 | コモディティ・金 |
債券や株には、それぞれ強い時期、弱い時期というのがあります。たとえば、経済の成長期には株式が上がりやすいですが、不景気の時はコモディティや金が良いパフォーマンスを発揮するのです。
オールウェザーポートフォリオは、それぞれの資産を組み合わせて、いかなる時期でも安定したリターンを出せるように組まれています。
かんたんにいえば、資産を分散して不況も乗り切ろうってことですね。
実際、リーマンショックでも下落幅がかなり小さかった実績があります。流石ダリオ様!!
ポートフォリオの内訳
割合 | 強い時期 | |
---|---|---|
株式 | 30% | 経済成長期 |
長期米国債(20年) | 40% | デフレ |
中期国債(7-10年) | 15% | デフレ |
コモディティ | 7.5% | インフレ・経済後退期 |
金 | 7.5% | インフレ・経済後退期 |
上記がオールウェザーポートフォリオの内訳です。
株の比率が30%、債券の比率がトータルで55%とかなり債券の比率が高いと思うかもしれません。これは株式のリスクが債券の3倍あるとの想定だからです。
リスクが大きい株式を、比較的リスクがちいさく安定している国債やコモディティで補っているイメージになります。
ちなみにレイダリオ氏が管理するオールウェザーポートフォリオのファンドを個人が買うことはできません。
基本的には機関投資家のみが受け付けでき、しかも投資額が1億ドルからとの制約もあるみたいです。個人には無理ですね。
もし個人がオールウェザーポートフォリオをマネしたいなら、ETFや投資信託を活用して、自分自身でポートフォリオを組む必要があります。
オールウェザーポートフォリオを再現する方法
オールウェザーポートフォリオは、ETFや投資信託をつかって再現できます。具体的な例は下記のとおりです。
ポートフォリオ | 割合 | ティッカー | ETF名 |
---|---|---|---|
株式 | 30% | VTI | バンガードトータルストックマーケットETF |
長期国債 20年 | 40% | TLT | iシェアーズ米国国債20年超ETF |
中期国債 7-10年 | 15% | IEF | iシェアーズ米国国債3-7年ETF |
金 | 7.5% | GLD | SPDRゴールド・シェアーズ |
コモディティ | 7.5% | GSG | iシェアーズ S&P GSCI コモディティ・インデックス・トラスト |
株式は米国市場全体をカバーするVTIになっています。(すでにS&P500に投資している場合は、S&P500に米国株式は入れ替えてもいいかなと)
ほかにも同じ投資対象であれば、ETFはほかのものに入れ替えても大丈夫です。
どれも私たち個人投資家が買えるETF!
ETFを使えば、レイダリオ氏のポートフォリオもマネできるんです!
【利回り6.2%】オールウェザーポートフォリオのバックテスト
オールウェザーポートフォリオの実際のパフォーマンスは?
このように思うひともいると思うので、実際にオールウェザーポートフォリオで運用した場合にどのくらい資産が増えたのかを検証したいと思います。
検証条件は下記のとおり。
投資期間 | 2006年8月1日~2023年12月15日 合計:17年4か月 |
ポートフォリオ | ①VTI:30% ②TLT:40% ③IEF:15% ④GLD:7.5% ⑤GSG:7.5% |
条件 | ・定期的にリバランス ・初期投資後の追加投資なし ・配当金再投資あり |
比較対象 | VTI(米国株式全体) |
検証根拠 | ETFreplayでの検証結果を参照。 |
バックテストの結果
トータルリターン | +185.8% |
年平均利回り | +6.2% ※VTI:9.9% |
オールウェザーポートフォリオを検証した結果、年平均で6.2%との結果になりました。運用できるとわかりました。
最終的な17年の運用の結果から、VTIのほうがリターンが高い結果となっています。
オールウェザーポートフォリオでも資産は増えていますが、株単体には勝てなかった結果になっていますね。
下落に強いポートフォリオ
オールウェザーポートフォリオは下落に強いポートフォリオです。
VTIだけで運用した場合とくらべて、暴落時の下落幅が小さいからです。
具体的にリーマンショックで見てみると、年のリターンでみれば、オールウェザーポートフォリオはプラスで終えています。
オールウェザー ポートフォリオ | VTI単体 | |
---|---|---|
リターン | +2.2% | -37.0% |
MAX下落幅 | -12.5% | -48% |
また最大の下落幅で見ても、-12.5%とVTI単体にくらべてもかなり下落が抑えられています。
オールウェザーポートフォリオがいかに下落に強いかわかるわね。
全体的に上がり下がりが少なく、安定しています。
最終的な結果だけみればVTIだけの方が良い利回りとなりましたが、投資期間が長くとれないひとにとっては、オールウェザーポートフォリオのほうがいいケースも十分あると思いました。
まとめ 全天候を制すポートフォリオ
この記事ではレイダリオ氏のオールウェザーポートフォリオを解説しました。
どんな天候(経済状況)になっても大事な資産を守りながらも、利益を出せる安心のポートフォリオ戦略だとわかったのではないでしょうか。
最後にこの記事のおさらいです。
- オールウェザーポートフォリオはどんな経済状況にも対応するのを目指す
- ETFをつかえば個人でもオールウェザーポートフォリオを再現できる
- オールウェザーポートフォリオはVTIにくらべて下落に強い
リーマンショックの年もプラスで乗り切ったポートフォリオにはビックリしました。
大きなリターンを狙って刺激を求めるのも楽しいですが、あらゆる経済状況を想定して備えるポートフォリオも魅力的ですね。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。