
「AGGとBNDの違いを比較したい!」
「債券ETFはAGG・BND・TLTのどれがいい?」
「AGGとBNDをたぱぞうさんはどう見てる?」
このような悩みを解決します。
債券ETFをポートフォリオに組み込もうとすると「AGG」と「BND」が候補に上がりますが「どちらに投資すべきかわからない!」「どっちを買えばいいの?」と思いますよね。



私もポートフォリオに組み込む債券ETFとして、AGGとBNDが候補にあがった!
でも全然違いがわからなくて、だいぶ悩みました。
そこで今回の記事では、債券ETF「AGG」と「BND」の違いを徹底的に解説します。
長期債ETFの「TLT」や「EDV」とも比較するので、債券ETF選びで悩んでいるひとには参考になるはずです。ぜひ最後までチェックしてくださいね。
債券ETF「AGG」と「BND」の違いを比較
ティッカー | AGG | BND |
---|---|---|
正式名称 | iシェアーズ・コア 米国総合債券市場E | バンガード・トータル債券市場ETF |
運営会社 | ブラックロック社 | バンガード社 |
指数 | ブルームバーグ・バークレイズ 米国総合インデックス | バークレイズ米国総合浮動調整インデックス |
設立 | 2003年9月 | 2007年4月 |
投資対象 | 投資適格債 | 投資適格債 |
債券の償還期間 (デュレーション) | 0年~20年以上 | 0年~25年以上 |
経費率 | 0.03% | 0.03% |
変動 | 小さめ | 小さめ |
利回り※ | 3.71% | 3.60% |
分配金の支払い | 毎月 | 毎月 |
為替ヘッジ | なし | なし |
NISAで投資できるか | ||
公式ページ | 詳細 | 詳細 |
「AGG」と「BND」の違いは上記の表のとおりです。設立時期でみるとAGGのほうが3年半早く作られたETFです。表の内容のうち特に気になる項目は下記のとおり。



AGGとBNDは似ている債券ETFですが違いもあります。
違いを丁寧に解説していくので、順にチェックしましょう!
投資対象の債券と償還期間
2つのETFはどちらも「投資適格債」に投資しています。投資適格債とは、一言でいうとリスクが低く信用できる債券のことです。
つまりAGGやBNDに投資すれば、債券がダメになるリスクが低く、投資する価値があると評価された債券に投資できるわけです。
それぞれのETFが投資する債券の発行元の比率は以下のとおりです。
種類 | AGG | BND |
---|---|---|
財務省/政府機関 | 45.24% | 48.10% |
モーゲージ・ パススルー証券 | 24.73% | 19.80% |
資本財・サービス | 14.46% | 14.70% |
金融機関 | 8.27% | 8.80% |
公益事業 | 2.38% | 2.50% |
商業用不動産 担保証券 | 1.44% | 1.60% |
ソブリン債 | 1.01% | – |
国際機関 | 0.87% | 3.40% |
地方自治体 | 0.60% | |
資産担保証券 | 0.47% | 0.50% |
キャッシュ、 デリバティブ等 | 0.56% | – |
その他 | – | 0.60% |
国際機関への投資率やソブリン債に投資しているかなど細かい違いはありますが、AGGとBNDのどちらも40〜50%くらいは財務省/政府機関の発行する債券へ投資しています。



モーゲージ・パススルー証券や資本財・サービスへの投資率もほぼ同じです。
投資先はほとんど同じETFだと思いますね。
また、投資する債券の償還期間の比率も似ています。というのもAGGとBNDはどちらも80%近くが償還期間1年〜10年の債券に投資しているのです。
AGG | BND | |
---|---|---|
1年未満 | 1.32% | 0.40% |
1~5年 | 42.11% | 44.10% |
5~10年 | 37.95% | 35.10% |
10~15年 | 2.22% | 3.00% |
15~20年 | 5.39% | 5.80% |
20年以上 | 10.46% | 11.60% |
キャッシュ、 デリバティブ等 | 0.56% | – |
経費率
ティッカー | AGG | BND |
---|---|---|
経費率 | 0.03% | 0.03% |
経費率はどちらも0.03%です。経費率は運用会社に自動的に支払われる運用費で、ETFの純資産額に対する割合で表されます。



米国ETFは0.20%より低ければ一般的に経費率が低いといわれる!
0.03%はかなり低い経費率ですよ!
分配金時期・利回り
ティッカー | AGG | BND |
---|---|---|
利回り※ | 3.71% | 3.60% |
分配金の支払い | 毎月 | 毎月 |
AGGとBNDはどちらも毎月配当がもらえるETFです。配当利回りは、2025年3月時点でAGGの方が0.1%高いですが、ほぼ同じレベル。



分配金の支払いタイミングや利回りも同じくらいなので、正直違いはほぼありません。
株価変動
AGGとBNDは株価の変動もほとんど同じです。チャートを比較してみると、値動きがほとんど同じだとわかりました。


ここ3ヶ月〜5年のトータルリターンは以下のとおりです。5年のトータルリターンで見ると、BNDのほうが0.12%高いですが、ほぼ同じでした。
トータルリターン | AGG | BND |
---|---|---|
3ヶ月 | 2.39% | 2.36% |
1年 | 4.68% | 4.72% |
3年 | 0.68% | 0.71% |
5年 | -0.40% | -0.28% |



AGGとBNDは直近5年間で、ほぼ同じリターンになっていますね。
AGGとBNDのどっちがおすすめ?
いろいろなポイントでAGGとBNDを比較しましたが「結局どっちがおすすめなの?」と思いますよね。
AGGとBNDはどちらも似たような株価の動きをしている、安定性の高いETFです。しかも経費率も同じなので大きな違いはありません。
そんな似た2つの債券ETFのうち、私がおすすめするのは「AGG」です。
なぜかというと、AGGは2025年3月現在、以下のネット証券で買付手数料が無料だからです。つまり楽天証券やSBI証券ならAGGを手数料ゼロで取引できます。



パフォーマンスはどちらもほぼ同じなので、買付手数料が無料のAGGの方が間違いない!
コストが低く済むので、リターンが高くなりやすいですよ!
たぱぞう氏は債券ETF(AGGやBND)をどう見てる?
たぱぞう氏は2023年に、AGGやBNDなどの債券ETFに投資妙味があると評価していました。
なぜかというと、2023年は利上げ局面だったので、債券ETFが全体的に値下がりしていたからです。値下がりしていたことで、長期的な目線でみたらキャピタルゲインを得られやすくなったとたぱぞう氏は考えました。
ただし、たぱぞう氏はAGGやBNDを最終的には購入していません。キャピタルゲインをねらって、AGGやBNDよりも、ボラティリティ(変動)が大きい長期債ETFの「EDV」を選んでいました。



変動が大きな長期債ETFを選ぶかは個人個人の投資スタイルによる!
たぱぞう氏はリターンを狙うスタイルだったので、長期債ETFを選んでいますね。
AGGやBNDと長期債ETF(TLT・EDV等)の違い
ティッカー | AGG | BND | TLT | EDV |
---|---|---|---|---|
正式名称 | iシェアーズ・コア 米国総合債券市場E | バンガード・トータル債券市場ETF | iシェアーズ 米国国債 20年超ETF | バンガード・超長期米国債ETF (EDV) |
運営会社 | ブラックロック社 | バンガード社 | ブラックロック社 | バンガード社 |
指数 | ブルームバーグ・バークレイズ 米国総合インデックス | バークレイズ米国総合浮動調整インデックス | ICE米国国債20年超指数 | ストリップス債20-30年インデックス※1 |
投資対象 | 投資適格債 | 投資適格債 | 残存期間 20年以上の米国債 | 残存期間20~30年の 米国財務省証券 ストリップス債 (ゼロクーポン債) |
債券の償還期間 (デュレーション) | 0年~20年以上 | 0年~25年以上 | 20年 | 20~30年 |
経費率 | 0.03% | 0.03% | 0.15% | 0.05% |
変動 | 小さめ | 小さめ | 比較的大きい | 大きい |
利回り※2 | 3.71% | 3.60% | 3.83% | 4.73% |
分配金の支払い | 毎月 | 毎月 | 毎月 | 四半期毎 (4月・7月・10月・12月) |
為替ヘッジ | なし | なし | なし | なし |
NISAで 投資できるか | ||||
公式ページ | 詳細 | 詳細 | 詳細 | 詳細 |
※2:3/18時点の配当利回り
短〜中期債ETF(AGGやBND)、長期債ETF(TLTやEDV)の大きな違いは、投資する債券の償還期間の長さです。
AGGとBNDは償還期間1年〜10年の債券への投資が多いのに対し、TLTやEDVが投資する債券の償還期間は20年以上です。
償還期間の長い債券に投資すると金利の影響を受けやすく、株価の変動が大きくなります。つまり、TLTやEDVは株価が大きく動きやすいのです。
実際、AGGとTLTの株価のチャートを見比べてみると、TLTの方が大きく動いているのがわかります。


短期〜中期の取引でキャピタルゲインを狙いたいなら、TLTやEDVのほうが向いています。ETFの性格上、金利の影響をうけやすく、株価の変動が大きいからですね。



さらにEDVなら、NISAの成長投資枠で買える!
配当金や売却益にかかる税金も回避できます!
債券ETFを取り扱っているネット証券
証券会社 | AGG | BND | TLT | EDV |
---|---|---|---|---|
楽天証券 | 買付手数料 無料 | NISA対応 | ||
SBI証券 | 買付手数料 無料 | NISA対応 | ||
マネックス証券 | 買付手数料 無料 | NISA対応 | ||
moomoo証券 | NISA対応 | |||
松井証券 | NISA対応 | |||
三菱UFJ eスマート証券 (旧:auカブコム証券) | NISA対応 |
4つの債券ETFの主要ネット証券での取り扱い状況は上の表のとおりです。結論からいえば、すべての債券ETFが主要ネット証券で取引できます。
このなかでSBI証券・楽天証券・マネックス証券では、AGGを買付手数料が無料のETFとして設定しています。



なおNISA口座で買えるのは長期債ETF「EDV」のみです。
NISAでの買付手数料を無料にしている表内のネット証券なら、EDVも手数料無料で買えますよ!
まとめ
債券ETFの「AGG」と「BND」の違いを比較して紹介しました。
AGGとBNDは投資先やパフォーマンスが似ており、どちらも安定的な債券ETFだとわかったのではないでしょうか。経費率も同じです。
最後に今回の記事の内容をおさらいします。
- AGGとBNDは投資先や株価の動きもかなり似ている債券ETF
- 主要ネット証券で買付手数料が無料のAGGの方がおすすめ
- キャピタルゲインをねらうならTLTやEDVなど他のETFも検討しよう



長期保有してポートフォリオのバランスを取るならAGGやBNDが合っています。
キャピタルゲインをねらうなら、TLTやEDVなど変動の大きい債券ETFが向いていると覚えておきましょう!
ということで、今回の記事は以上です。
最後までご覧いただきありがとうございました。