「カウチポテトポートフォリオが知りたい!」
「カウチポテトポートフォリオの組み方は?」
「カウチポテトポートフォリオの利回りは?」
このようなお悩みを解決します。
こんにちは。投資歴4年目の投資家です。
ポートフォリオ研究に夢中です。
今回の記事では「カウチポテトポートフォリオ」という投資戦略を解説します。
カウチポテトポートフォリオは簡単にいえば、ソファでポテトをかじっていればいいくらい管理が楽ちんな投資方法です。しかも暴落にも強い。
この記事を読めば、どんなポートフォリオなのか、メリットとデメリットは何かがわかります。バックテストで過去の実績もチェックしたので、ぜひ最後まで読んでくださいね。
カウチポテトポートフォリオとは
カウチポテト※1ポートフォリオは、株を50%、現金と債権を50%で持つポートフォリオです。
※1:カウチポテトは、カウチ(ソファー)で、テレビをみながらポテトチップスをかじり、ダラっと時間を過ごす様子のこと。ソファーでゴロンとしている姿がジャガイモに見えたから、という説もある。
カウチポテトポートフォリオ | |
---|---|
投資先 | 割合 |
株 | 50% |
現金・債権 | 50% |
カウチポテトポートフォリオは、ほっといたままでもソファーでくつろげるくらい、ゆとりの持てる投資法なのが名前の由来。
それくらい値動きの小さいポートフォリオなんです。
比較的リスクの大きな株式と、リスクの小さな債権・現金を組み合わせるだけなので、とてもかんたんなポートフォリオになります。シンプルで初心者でもマネしやすいですね。
カウチポテトポートフォリオの組み方・作り方
カウチポテトポートフォリオはETFや投資信託で作れます。具体的な銘柄は下記のとおり。
ETF | 割合 | |
---|---|---|
米国株 | VTI(バンガードトータルストックマーケットETF) | 50% |
長期米国債 | TLT(iシェアーズ米国国債20年超ETF) | 30% |
現金 | – | 20% |
ETFの王道といえるVTIは米国株式をほぼカバーできます。株式よりリスクが少ないといわれる国債は、米国長期国債のTLTです。
米国株と長期国債&現金でそれぞれ50%ずつ保有すればカウチポテトポートフォリオの完成です。
定期的なリバランス用に現金は持っておく
定期的なリバランス※のために、現金を持っておきましょう。
※リバランスとは、変わってしまった比率を定期的にメンテナンスすること。
その理由は、はじめに作成したポートフォリオはしばらくすると比率が変わってしまうからです。
たとえば、株が上がると米国株の割合が高くなります。そこで値上がりした株の一部を売却し、債権を買い増して米国株と債権・現金の配分を最初の50%に戻します。これがリバランスです。
2021年 | 2022年 (リバランス) | 2023年 | |
---|---|---|---|
米国株(VTI) | 50% | 70% 売却 | 50% |
長期米国債・現金 | 30% | 30% 買い増し | 50% |
そのままにしておくと、想定されるリターンやリスクがズレてしまいます。
定期的なリバランスのためにも、現金を持っておきましょう。
新NISAでもカウチポテトポートフォリオは作れる
新NISAでもカウチポテトポートフォリオを作れます。
新NISAでも米国株(S&P500や全米株式)や長期債の投資信託を買えるからです。
具体的には、つみたて投資枠で米国株を積み立てながら、同じ金額ずつ成長枠投資枠で長期債を買うかんじですね。
つみたて投資枠 | 成長投資枠 | |
---|---|---|
投資先 | 米国株 | 債券・金 |
年間投資限度額 | 120万円 | 240万円 |
年間投資額(合計) | 360万円 | |
非課税限度額 | 1,800万円 | |
非課税保有期間 | 無期限 | 無期限 |
つみたて投資枠と成長投資枠を合わせ、年間360万円までは非課税。投資の利益を少しでも残すためにもうまく活用しましょうね。
最終的に新NISAで運用する資産のうち、株式と債券・現金の割合が50%ずつになればカウチポテトポートフォリオ完成です!!
【暴落に強い?】カウチポテトポートフォリオの利回り
カウチポテトポートフォリオの利回りが気になりますよね。
そこで下記の条件で検証してみました。
投資期間 | 2005年1月3日~2024年1月5日 合計:19年 |
---|---|
ポートフォリオ | ①VTI:50% ②TLT:50% |
ベンチマーク | VTI |
検証結果
トータルリターン | 281.9% |
---|---|
平均利回り | 7.3% |
最低利回り | -23.4% |
検証の結果、カウチポテト ポートフォリオの2005年以降の平均利回りは7.3%となりました。運用成績はなかなかに順調と言えますね。
ちなみにリーマンショックの2008年は-3.0%で、ベンチマークとして設定したVTI※はその年-37.0%でした。カウチポテトポートフォリオの防御力の高さがわかりますね。
※VTI(Vanguard Total Stock Market ETF)は米国全体約4000社に投資するETF
VTIとの比較
カウチポテトポートフォリオとVTIの年ごとの利回りを比較しました。結果は下記の表です。
カウチポテト ポートフォリオ (VTI 50%+TLT50%) Total Return | VTI Total Return | 差 | |
---|---|---|---|
2005 | 7.7% | 7.1% | 0.6% |
2006 | 8.2% | 15.7% | -7.5% |
2007 | 7.7% | 5.4% | 2.3% |
2008 | -3.0% | -37.0% | 34.0% |
2009 | -4.7% | 28.9% | -33.6% |
2010 | 12.9% | 17.4% | -4.6% |
2011 | 18.3% | 1.0% | 17.3% |
2012 | 8.2% | 16.5% | -8.2% |
2013 | 7.1% | 33.5% | -26.4% |
2014 | 19.3% | 12.5% | 6.7% |
2015 | -0.7% | 0.4% | -1.0% |
2016 | 7.2% | 12.8% | -5.6% |
2017 | 15.8% | 21.2% | -5.5% |
2018 | -3.7% | -5.2% | 1.5% |
2019 | 23.4% | 30.7% | -7.2% |
2020 | 19.9% | 21.0% | -1.2% |
2021 | 13.6% | 25.7% | -12.1% |
2022 | -23.4% | -19.5% | -3.9% |
2023 | -19.0% | 26.1% | -7.0% |
平均利回り | 7.3% | 9.6% | - |
チャートと騰落率から、カウチポートフォリオのほうがVTIよりも値動きが小さいのが確認できました。
一方値上がり幅が小さいので、最終的なリターンはVTI単体に負ける結果となりました。
カウチポテトポートフォリオのメリット・デメリット
カウチポテトポートフォリオのメリット・デメリットは下記のとおりです。
メリット | ・値下がりに強い ・資産に大きなダメージがない |
---|---|
デメリット | ・値上がりに弱い ・資産は株単体よりも大きく増えない |
メリットデメリットがわかれば、あなたに向いているかもわかります。
順に詳しく解説しますね。
メリット
大暴落といわれる値下がりのタイミングに強く、資産への大ダメージを防げるのがメリットです。
なぜなら、株だけでなく、債券や現金をポートフォリオに混ぜているからです。
バックテストの結果から、2008年リーマンショックの年、VTIのリターンが-37%だったのに対し、カウチポテトポートフォリオは-3%でした。下落に対しての防御力が高いのです。
最終的なリターンは多少低くなっても、資産を大きく下げたくないひと向けのポートフォリオと言えますね。
デメリット
株だけのポートフォリオに比べるとパフォーマンスが劣るのが、資産の増加の面でデメリットです。
このカウチポテトポートフォリオは、株に債権や現金を混ぜている分、値上がりに弱いんです。
下記はカウチポテトポートフォリオとVTI単体のリーマンショック前後の値上がりを示しています。
リターンの上げ幅・下げ幅 (前年と比較) | ||
---|---|---|
Year | カウチポテト ポートフォリオ | VTI |
2008 | -10.7% | -42.2% |
2009 | -1.7% | 65.9% |
リーマンショックの底値から脱しはじめたのが2009年。VTIのリターンは一気に回復し、前年と比較するとプラス65.9%でした。一方、カウチポテトポートフォリオは-1.7%でほぼ変わりませんでした。
最終的な平均リターンでもVTI(9.6%)にくらべて劣っている結果となっていました。
平均利回り | |
---|---|
カウチポテトポートフォリオ | 7.3% |
VTI | 9.6% |
カウチポテトポートフォリオは、VTI単体に比べると最終的なリターンという意味では、低くなる可能性が高いです。
なので、これから大きく資産を増やしたい人には不向きかなと思いますね。
まとめ
この記事ではカウチポテトポートフォリオを解説しました。
株と債権・現金をそれぞれ50%ずつで運用すればいいだけなので、手間もかからずリターンも安定しているとわかったのではないでしょうか。
最後にこの記事のおさらいです。
- カウチポテトポートフォリオは株と債券&現金を50%ずつ持つ
- カウチポテトポートフォリオは株価暴落時に強い
- ETFを組み合わせてポートフォリオを組める
- NISA枠を活用すれば非課税で運用できる
カウチポテトポートフォリオは、大きなリターンを狙いたいという人には物足りないかもしれません。
ですが資産を大きく減らしたくない、というひとには向いているポートフォリオだと思いますよ。
ということで今回はここまでです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。