
「債券ETFのEDVとTLTの違いは?」
「債券ETFのEDVとTLTの税金は?」
「EDVとTLTは新NISAで買えるか知りたい!」
このような悩みを解決します。
債券ETFの候補として「EDV」と「TLT」がまっさきに挙がると思いますが「EDVとTLTの違いは何?」「結局どっちを買えばいいんだろう・・」と悩みますよね。



私も債券ETFではだいぶ悩みました。
最終的に、私はより安定的な「TLT」をポートフォリオに入れて運用中です!
今回の記事では、債券ETFのEDVとTLTの違いを解説します。
記事を読めば、EDVとTLTの違いがはっきりして、あなたがどちらを買えばいいのかがわかります。ぜひ最後までチェックしてくださいね。
債券ETF「EDV」「TLT」の違いを徹底比較


ティッカー | TLT | EDV |
---|---|---|
正式名称 | iシェアーズ 米国国債 20年超ETF | バンガード・超長期米国債ETF (EDV) |
運営会社 | ブラックロック社 | バンガード社 |
指数 | ICE米国国債20年超指数 | ストリップス債20-30年インデックス※1 |
投資対象 | 残存期間が20年以上の米国債 | 残存期間が20~30年の米国財務省証券ストリップス債 (ゼロクーポン債) |
債券の償還期間 (デュレーション) | 20年 | 20~30年 |
経費率 | 0.15% | 0.06% |
変動 | 比較的小 | 比較的大 |
利回り※2 | 4.21% | 4.83% |
配当時期 | 毎月 | 四半期毎 |
為替ヘッジ | なし | なし |
公式ページ | 詳細 | 詳細 |
※2:2025年2月10日終値時点での配当利回り
債券ETF「EDV」と「TLT」の違いは上の表の通りです。表のなかで特に違いがあるのは次の項目です。それぞれの項目をさらに深掘りして解説しますね。



EDVとTLTの違いがわかれば、どちらを買えばいいのかが選びやすい!
順にチェックしていきましょう。
投資対象・債券の償還期間
ティッカー | TLT | EDV |
---|---|---|
投資対象 | 残存期間が20年以上の米国債 | 残存期間が20~30年の米国財務省証券ストリップス債 (ゼロクーポン債) |
債券の償還期間 (デュレーション) | 20年 | 20~30年 |
EDVとTLTはどちらも債券に投資していますが、EDVはストリップ債のみに投資しています。
ストリップス債とは(クリック/タップすると開く)
利付債を元本部分と利息部分に分けて、それぞれを別の債券として売買できるようにした商品。
分けた後のストリップス債は利金のない債券(ゼロクーポン債)として販売されるため、利金は支払われない。
TLTは債券の償還期間が20年なのに対し、EDVは20年〜30年です。償還期間の長い方が株価の変動が大きくなりやすいので、EVDの方が変動が大きくなりやすくなります。



EDVはストリップ債に特化した償還期間の長い債券を含むETFだと覚えておけばオッケーです!
変動
ティッカー | TLT | EDV |
---|---|---|
変動 | 比較的小 | 比較的大 |
TLTにくらべてEDVのほうが、変動が大きいです。
その理由は、EDVは20年〜30年と、TLTにくらべて償還期間が長い債券にも投資しているからです。償還期間が長いほど金利の影響を大きく受けるので、株価が大きく動きやすくなります。
下(↓↓↓)の図はEDVとTLTの2002年以降の値動きを比較したものです。TLTにくらべてEDVのほうが大きく動いているのがわかると思います。


経費率
ティッカー | TLT | EDV |
---|---|---|
経費率 | 0.15% | 0.06% |
経費率はTLTよりもEDVの方が低いです。
TLTの経費率が0.15%に対し、EDVの経費率は0.06%なので0.09%の差があります。
経費率とは(クリック/タップすると開く)
ETFを運用するのにかかるお金が、 そのETFの純資産総額に対してどのぐらいの割合かを示す指標。



長く運用するうえで、コストがなるべく低いほうがいいです。
経費率の面では、EDVのほうがいいですね。
配当利回り・配当時期
ティッカー | TLT | EDV |
---|---|---|
利回り※ | 4.21% | 4.83% |
配当時期 | 毎月 | 四半期毎 |
配当時期は、TLTが毎月支払われるのに対し、EDVが四半期ごとです。
配当利回りは、EDVがストリップス債を取り入れている分、TLTに比べると若干配当利回りが高くなっていますね。
「EDV」「TLT」は両方米ドル建てで為替ヘッジなし


なお債券ETFの「EDV」「TLT」はどちらも米ドル建てで、為替ヘッジはありません。
いくら安定的に運用していたとしても、国際情勢の変化で急に円高になることもあるので、為替リスクは心配ですよね。
為替ヘッジつきのETFには2621(iシェアーズ 米国債20年超)があります。しかし、為替ヘッジをする分コストがかかるので、そのコスト分リターンが低くなっています。
実際に2621が設定された2020年10月14日以降で、TLT・EDVと2621のチャートを比較してみると、リターンに差が出ているのが一目瞭然です。


為替リスクに対応できても、リターンがここまで低いと意味ありませんよね・・。



ある程度日本円を現金で持っておいて、ドルが下がった時にTLTやEDVを買えるようにしておけば、為替ヘッジがなくてもリスクに対応できます。
わざわざ為替ヘッジタイプの債券ETFを買わなくてもいいと思いますね。
値動きの小さい「TLT」が債券ETFとしておすすめ


私は債券ETFとして、「EDV」よりも「TLT」がいいと思って買っています。
なぜかというと、私が債券ETFに求めるのはポートフォリオの安定だからです。安定性を求めるのに、値動きの大きい債券ETFを選ぶのはナンセンスですよね。
もちろん高い値上がり益(キャピタルゲイン)を得たいからEDVを選ぶ、という選択肢もアリといえばありですが、それならもっと値動きが大きなレバレッジ債券ETF(TMF等)を買ったほうがいいです。
なんでかというと、値上がりを狙うなら、タイミングよく債券ETFを買う必要がありますが、それならレバレッジのある債券ETFのほうが高いリターンを期待できるからです。もちろんTMFはレバレッジ型なのでリスクはありますが、タイミングを狙うのにあえてリターンの低いEDVを選ぶのは中途半端になってしまいます。



債券ETFに安定を求めるなら「TLT」がベストだと思いますね。
※レバレッジ型の債券ETF「TMF」が気になるひとはこちらの記事「TMF(米国債ブル3倍レバレッジETF)とは?」をご覧ください。TLTやEDVとの比較も丁寧にしています。
【新NISA対応】債券ETF「EDV」「TLT」が買えるネット証券
「EDV」と「TLT」を取り扱っているネット証券を調べたところ、主要なネット証券ではすべて取り扱っていました。
EDVやTLTは、新NISAの積立投資枠では買えませんが、成長投資枠をつかえばNISAでも買えると調べもつきました。



新NISAで買えば分配金にかかる税金が無くなるだけでなく、取引手数料もゼロになるネット証券が多いです。
長く保有するつもりなら、節税のためにも新NISAで購入した方が賢いですよ!
まとめ
今回の記事では、債券ETF「EDV」と「TLT」を徹底比較しました。
EDVはストリップス債に投資している分、EDVはTLTにくらべて金利の影響を受けやすいので、値動きが大きいとわかったのではないでしょうか。
最後に今回の記事の内容をおさらいします。
- TLTは値動きが比較的少なく、安定運用したいひとにいい
- EDVは値動きが比較的大きく、キャピタルゲインを狙うひとにもいい
- EDVとTLTは新NISAの成長投資枠で投資できる



あなたが債券ETFに何を求めるかでEDVかTLTか決めてくださいね。
なお購入する時は、NISAの成長投資枠をつかうのを忘れずに!
ということで、今回の記事は以上です。
最後までご覧いただきありがとうございました。